私は美しい文章を書ける訳ではない。プライドを持って推敲を重ねているだけだ。
_夏目漱石
僕は言葉にそもそも疎い人間です。
歌詞のある唄を聴いても、詩の意味は頭に入ってこないタチですし、
そもそも音だけで済む、海外の音楽を聞く人種です。
しかしこんな僕でも、言葉を用いて誰かに伝えていく作業が好きになりつつあります。
言葉でしか紡ぎだせない唯一無二の表現もある、ということに最近気付いたような気がするからです。
『ひとこと』が誰かを動かし、『ひとこと』で誰かを傷つける。
それでも誰かの発する『ひとこと』に感銘を受けて生きていくことは、とても素晴らしいことだと思います。
僕は誰かの琴線に触れるような、エッジの効いた言葉を出せる人ではないけれど、
どこにエッジが効いているのかは、昔と違って少しは感じ取れるような気がしています。
その証拠に、かつて聴いていた日本の歌の歌詞が今更、降り注いでくる感覚があります。
もっと言葉が知りたいです。それによってもっと想いを届けたいのです。
これは、三十路になり初めて出た感情かも知れません。
誰かに想いを伝える、単純だからこそ深いテーマであると思います。
人間だけが獲得した"ことば"というツール。
大切なときに大切な『ひとこと』、を言える人になりたいと思います。
コッポラファミリーのジア・コッポラ(ソフィア・コッポラの姪の写真、映像作家)の関わる圧倒的なモノには、何か(コトバ)が欠けても伝わるわけです。天賦の才とはいかがなものか。
*1:49から曲が始まります
Cely