野菜や穀物、果物などの農作物。
農家が品種や育て方を創意工夫することで、美味しいと評価されるものがつくられる。
例外はもちろんあるけれど、自生している果物や野菜よりも、
農家がきちんと育てたもののほうが美味しい、というのが一般的な価値観だ。
牛や豚、鶏などの肉類も同様。
農家が餌や育て方を工夫することで、ブランド牛や豚が生み出される。
そもそもこの国では、天然の牛や豚がその辺を駆けまわってることなんてあり得ないが。
それでもって魚介類はどうだろう。
天然 >> 養殖 というのが世間一般の評価だ。
養殖はどうしたって天然にはかなわないとされる。
"将太の寿司"でも、天然の鯛が買い占められて養殖の鯛しか手に入らないって時には、
誰もが(親方さえも)絶望的な顔をするのだ。
魚介類だけは、人の手が加わった瞬間に一気に評価が下がるとは、これ如何に?
マザーネイチャー。母なる大海の恵みには、人はどうしたって勝てないということなのか。
実は養殖の方が美味い魚なんてのもありそうなもんだが。
この不公平さが実に悲しい。
養殖=悪。みたいに言われてしまう養殖業者さんがかわいそうではないか。
と、思うのである。
きっと彼らも、「美味しくなーれ」と愛情をたっぷり注いで、お魚さん達を育てているはずなのだ。
「化学調味料が悪しきものとされることへの哀しみ」について、
酔っ払って、大声で、かつ泣きそうになりながら、
ラーメン屋で一人語っていたCelyの姿を思い出す。
nacca